株式会社森林環境リアライズ ERIホールディングス株式会社

平成26年度 岩手県

地域けん引型作業システム改善実証調査事業

 

平成26年度 岩手県
地域けん引型作業システム改善実証調査事業

はじめに

岩手県内の森林資源は人工林を中心に本格的な利用が可能な段階に入りつつありますが、森林・林業の現状は、林業産出額や林業所得の減少、森林所有者の経営意欲の低迷などにより厳しい状況に置かれています。また、東日本大震災による森林・林業・木材産業被害からの復旧・復興で木材の加工・流通体制の変化が生じています。
このため、岩手県では森林・林業の再生に向けて、森林の整備・保全をはかりつつ、効率的かつ安定的な林業経営の育成、木材の加工・流通体制の整備、木材の利用拡大などに取り組んでいます。また、震災の復旧・復興に伴う地域材利用の推進や、木質バイオマス利用に伴う取組みの広がりによる森林経営計画の作成や森林整備に意欲的な林業経営体の増加が期待されています。

このような状況を踏まえて、岩手県では地域の森林所有者に代わって、地域単位に生産性の高い森林経営を担う林業経営体に対して「地域けん引型林業経営体」を認定・育成しています。認定を受けた地域けん引型林業経営体が地域特性を生かした持続的な森林経営基盤を確保するためには、林業技術者の確保や林業技術などの能力向上のほか、生産性の改善に伴う林業収益の確保が必要です。特に、低コスト・高効率の生産性の確保においては、路網整備と先進的な林業機械を取り入れた作業システムの構築と改善など、高度な技能の習得が必要です。

また、就労者の高齢化と新規就労者の技能伝承の遅滞が見られるなか、急激な間伐等の素材生産の増加に伴う労働強度の軽減および労働安全性の向上の観点からも、先進的な林業の機械化の推進が課題となっています。
他方、生産性の向上と地域実情に応じた作業システムの構築や改善には、導入機械の地域特性との整合性の検証をはじめ、導入効果や機械オペレータの育成などに大きな投資が必要で、なかなか取組めない経営体も多くあります。
このため、先進的な林業機械の実証的な取組みによるモデル化をはかり、県内に普及させることが必要となっています。
本事業は、「平成26年度 地域けん引型作業システム改善実証調査事業」として、地域けん引型林業経営体を対象に、地域の実情に応じた作業システムの改善に向けた実証的な取組みを行い、その結果を分析・普及することで、岩手県における持続的な森林経営の展開に資することを目的としました。

本報告書は、その成果として実証を行った取組みを取りまとめたものです。
事業の実施にあたっては、学識経験者および森林施業について十分な経験を有する有識者で構成した「地域けん引型作業システム改善実証調査事業運営委員会兼企画選定審査委員」の客観的な評価、ならびに岩手県林業技術センターの協力を得ました。ご指導・ご協力頂いた関係者の方々に深く感謝申し上げます。

株式会社 森林環境リアライズ
平成27年3月20日

事業概要

業務名

平成26年度地域けん引型作業システム改善実証調査事業

業務の目的

本業務は、地域において持続的な森林経営を展開するため、地域けん引型林業経営体を対象として、地域の実情に応じた作業システムの改善に資する実証調査を行う

履行期間

契約締結の日から平成27年3月20日

発注者

岩手県農林水産部森林整備課
・参考資料:先進的な作業システムの取組事例

成果報告会資料

・ポスター
・事業概要
・岩手中央森林組合(岩手県雫石町)
・西間林業(下閉伊郡岩岩泉町)
・有限会社川又林業(盛岡市)